上海の地図を見ると、ほとんどの道路は東西若しくは南北に走っているが、黄浦江の側に円形になっている道がある。これは、倭寇の襲撃を防ぐために16世紀半ばに作られた城壁だったところである。城壁は周囲5キロ弱、高さは8メートルあったとされるが、1912年に取り壊され、現在は人民路と中華路になっている。この円形の道の内側は旧上海城とよばれ、租界時代の上海においても中国人だけが住む地域だったという。
◆豫園と豫園商城
この地域の中心に豫園という庭園がある。豫園の「豫」は「愉」に通じ、すなわち「楽しい園」という意味。またその周りには多くの商店が軒を並べるエリアがあり豫園商城と呼ばれる。
豫園と豫園商城を合わせたこの場所は外灘と並ぶ上海2大観光スポットの一つであり、上海に来た観光客はほぼ必ず訪れる場所となっていて、周辺は毎日のように中国各地からやってきた観光客でごった返し、特に週末の日曜日の午後などは真っ直ぐに歩けない程の人混みとなる。 豫園そのものの面積は狭いので急いで回れば30分程度で見て回ることも不可能ではないが、狭い空間に芸術品のように細かい工夫が多数織り込まれている庭園なので、できればじっくりと時間をかけて観光したい。 また豫園商城の各お土産物屋での買い物や小吃店で中国ならではの点心をつまみ歩くのも楽しく、特に南翔饅頭店の小龍包は有名。
豫園商城を散策、湖心亭でお茶を飲み、豫園を観光。帰りがけに小龍包を食べるというコースなら、是非2~3時間はみておきたい。
◇豫園へのアクセス 地下鉄:10号線豫園駅から徒歩5分程度 バス:11路、126路、926路、66路、969路、715路など
|